今から20年ほど前、イタリアのある教会に
7.5mX 6.4mの大壁画が描かれた。
その準備から完成まで、アシスタントとして参加し
備忘録として、進捗状況を家族・友人に送ったメールを
もとにつづる制作秘話その2
アグリジェント・ギリシャ神殿 Wikipediaより転載(Kiyokun~jawiki - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=104485254による)
制作秘話その1では・・・
キリスト生誕2000年『ジュビレオ2000』の事業のひとつとして、シチリア・アグリジェントの教会から壁画「キリスト磔刑と聖人図」を師匠が受注。
難問だらけの準備段階、現地入り、そして・・・
いよいよ本番が始まる!と意気込んで再びアグリジェントの教会入りしたものの この年の猛暑はなかなか去らず日中気温が27℃超え。これではまだ乾きが早すぎます。
涼しくなる日を待つこと1ヶ月、ついに10月31日に本番スタートしました。
初めて教会の壁に描く
2M以上の柱、2平米の空!
1~2週目は、足場の最上部にて、建築モチーフ・空・背景のギリシャ神殿・十字架脇にいる天使
「今日は記念すべき日かもしれません。アシスタントとしてですが,初めて教会の壁にフレスコを描くという経験をし・・今日はフィナーレの始まり・・」興奮さめやらぬ初日メール。「ともかく全て大きい・・月曜の柱は幅が30センチ、描いた部分の長さは2メートル以上。木曜の空は2平米・・・」
その後上層の足場板を取り除き、中段へ移動。聖人像は足場の中層・下層にわたるので足場固定具を調節し、フレキシブルに板の高さを変える必要がありました。
壁画アシスタントは食事係
3週目は右翼の3聖人から。
教会名の由来であるアグリジェント出身の法王ピオ10世、福音書記者のヨハネ、ひざまずくピエトロ(キリスト教初代教皇)。 ピエトロでは手を焼いて、絵の具の定着具合が理由で2度やり直し。(そのとき神父さまがある逸話、ピエトロは石頭で融通が利かない性格だったというエピソードを話してくれて一同納得)
右翼がほぼ完成したのは12月15日。 クリスマスが近づき教会でのイベントが多くなったためここで制作は休暇にはいりました。(6週目終了)
この時期のメールには、毎日の進捗のほかに、昼夜の食事にアーティチョークのリゾットを頻繁に作っていたことや、12月13日のサンタルチアの祭日に、聖具室係のおばさんがクチーアというシチリアの伝統菓子を作ってくれたことなどもつづっておりました。
いよいよ次回は完成へ
教会壁画 制作秘話 その3 につづく
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